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2022/07/21 木曜日 | プロジェクト

活動:産婦人科医有志がSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の普及目指しプロジェクト設立

2022年7月19日 活動スタート
産婦人科医有志が「みんリプ!みんなで知ろうSRHR」というプロジェクトを発足、5つの目標を掲げ、7月19日から活動をスタートさせた。

「みんリプ!」(ホームページはこちら

SRHRとは
Sexual and Reproductive Health and Rights、頭文字をとって、「SRHR」と呼称される。
日本語では、「性と生殖に関する健康と権利」と訳され、内閣府や全国の自治体でも使われている。

・セクシャルセクシャル・ヘルス
自分の「性」について、心身ともに満たされ、社会的にも認められていること
・リプロダクティブ ・ヘルス
妊娠したい/したくない、産む/産まない、いずれにおいても心身ともに健康でいられること
・リプロダクティブ ・ライツ
産む/産まない、いつ/何人子どもを持つか、妊娠、出産、中絶について十分な情報を得て、自分で決める権利
・セクシャル・ライツ
「性」のあり方を、自分で決める権利

日本においてSRHRの概念が普及する必要性を訴え

オンラインで会見した共同代表の産婦人科医、稲葉可奈子氏は「SRHRは、生まれながらに持つべき権利だが、今の日本では、SRHRは認知すらされておらず、実現もされていない」と述べ、日本においてSRHRの概念が普及する必要性を訴えた。

5つの目標の実現を目指す
学校教育に働きかけ包括的性教育を進めるほか、子どもが無料で相談できたり、妊娠・性感染症の検査やピルなどを処方する「ユースクリニック」の設置、医薬連携による緊急避妊薬OTC化など、5つの目標の実現を目指す。
中でも、包括的性教育の推進が第一歩と稲葉氏は強調した。現状の日本の健康教育は、小・中学校保健体育科で受精・妊娠を扱う(性交、妊娠に至る過程、避妊は教えない)ことから、高校保健体育・家庭科で性感染症予防、家族計画について教えることを挙げ、「学校が安心して包括的性教育を行える社会」である必要性を訴えた。ユースクリニックとは、スウェーデンなどでの設置事例があり、子どもが無料で相談したり、妊娠・性感染症の検査やピルなどの処方を受けられる場所として想定。緊急避妊薬のOTC化は日本でも検討されているが、悪用や乱用の懸念などから実現には至っていない。
※「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略で、カウンター越しに薬を販売するかたち

まずは理解をされることが重要
「みんリプ!」は、稲葉氏、宋美玄氏、重見大介氏の3人の産婦人科医が共同代表を務め、まずは他に志を共にする産婦人科医と活動する。 稲葉氏は、「まずは理解をされることが重要である」と述べ、情報発信・啓発キャンペーンによる理解の促進や世論形成、行政・政界への建設的な提言などの活動を展開する予定。

稲葉 可奈子さん 医師・医学博士・産婦人科専門医
京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得。産婦人科医としてお産や手術など日々診療にあたる傍ら、病気の予防や性教育など生きていく上で必要な知識や正確な医療情報とリテラシーなどを、SNS、メディア、企業研修などを通して発信することに努めている。
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表 / コロワくんサポーターズ / メディカルフェムテックコンソーシアム 副代表 / NewsPicksプロピッカー

宋 美玄さん 医師・日本産婦人科学会専門医
2001年大阪大学医学部医学科卒業。その後産婦人科医として周産期医療センターを中心に勤務。2009年ロンドンのFetal Medicine Foundation に留学し胎児超音波、出生前検査を学ぶ。二児の母となった後、丸の内の森レディースクリニックで女性ヘルスケア、妊婦・胎児診療に携わる。メディアやSNSでの情報発信も行っている。


重見 大介さん 産婦人科専門医、公衆衛生学修士、医学博士。
株式会社Kids Public 産婦人科オンライン代表。
日本医科大学卒業。産婦人科領域の臨床疫学研究に取り組みながら、HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がんに関する啓発活動「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」を運営している。また、遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」代表を務め、オンラインで女性が専門家へ気軽に相談できる仕組み作りに従事している。他にSNSやYahoo!ニュース個人オーサーとして積極的な医療情報の発信をしている。

過去の人口爆発に起因する人口調整(避妊)の概念から転換
会見では、稲葉氏がSRHRという概念の歴史を振り返った。1970年から1980年代にかけて人口爆発が起き、避妊プロジェクトが進んだが、1994年の世界人口開発会議で、「求められているのは人口調整ではなく、教育と健康の手段の提供やジェンダー平等の実現による女性のエンパワーメントであると世界が同意」(稲葉氏)。その後、2000年の国際連合のMDGsや、2015年の国際連合のSDGsにもSRHRの概念が盛り込まれた。

SRHR実現にはあらゆる方面に壁がある状態
稲葉氏が「今の日本では、SRHRは認知すらされておらず、実現もされていない」と指摘する根拠として、「低用量ピルの普及率約3%」「中絶の費用10万~20万円以上、緊急避妊薬の費用1万5000~2万円」「HPVワクチンの接種率が非常に低い」などを挙げた。SRHR実現の壁として、そもそも教わる機会がない、生理や性がタブー視されている、避妊薬などへのアクセスが悪い、家庭環境による差も大きい、ジェンダーギャップ、法律、行政サポート、医療体制などがあり、「あらゆる方面に壁がある状態」と述べる。

稲葉氏は「日々診療する中で、SRHRに関連するあらゆる問題を解決するために、どう解決するべきかを考えた時に、SRHR実現の壁全てについて、産婦人科医が関わることができ、働きかける必要があるとの考えに至った」と「みんリプ!」の発足の経緯を説明した。

まずはできることから実績作り
今後の活動について、宋氏は、「まずはできることから実績を作る」と指摘し、▽ホームページ等での情報発信、社会的な問題が勃発した場合のメディア等への取材応答、▽行政、業界内部、政治家との連携、▽有志の産婦人科の見える化  に力を入れていく方針を説明した。

有志の一人、池田裕美枝氏は、「KYOTO SCOPE」という社会的困難女性を支援する人のための団体と連携している自身の事例を紹介。「KYOTO SCOPE」で支援にあたる福祉職から上がってくる情報を産婦人科医の間で共有したり、実際に医療につなげるなどの活動に取り組んでいるという。
(引用:mc3.com ニュース 医療維新)

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